RENOVA U15 愛知遠征の報告
RENOVA FC U15チームは8月21日~22日に愛知県豊田市にて開催されていた豊田市中学生サッカーフェスティバルに参加してきました。3年生は受験があるのでほぼ最後の遠征となります。また9月に入ると最後の公式戦「高円宮杯」が始まります。先輩たちがつないでくれ、自分たちでBリーグを戦い勝ち取った高円宮杯本戦で望む結果が出せるよう、後悔なく戦うための準備もかねてのこの愛知遠征に臨みました。何人か夏休み後のテスト勉強のため参加ができず3年生は7名となってしまいましたが、2年生も帯同し、計13名でこの遠征に挑みました。
初日は7時に小瀬スポーツ公園を出発。愛知まで3時間ほどの道のりですが途中パーキングエリアで休憩をとったり、昼食休憩など4時間ほどかけてゆっくりと試合会場へ向かいました。バスの中では学年関係なく仲良く話したりいる選手もいれば、朝が早かったので途中から爆睡している選手もいたりでした。
予定どおり11時頃に試合会場に到着し、12時20分のキックオフの試合へ向けてアップをしだします。暑さもあってか全体的にアップから元気がなく、これから試合に挑むというのにその準備が体も心もできていない選手が多くいました。それに気づけていない3年生、コーチから声を掛けられ少し活気が出ますがやらされている時点で自分たちの意思でなければほぼ意味がないのと同じです。
アップからの雰囲気のまま試合開始。グラウンドが土でぼこぼこしている環境もあったとは思いますが中途半端なプレーが目立ちそれがミスに繋がります。そしてミスが続くと消極的になり考えが止まってしまう。その結果1試合目は1-9で大敗。相手は岐阜県1部のチームでしたが選手たちがこの試合で何を感じたか。早く試合が終わってほしいというそういった感情の選手がほとんどだったんじゃないでしょうか。そんなチームは勝てないし、勝つべきではない。
ハーフタイムや2試合目が始まる前に自分たちがここにきている意味、試合の中で何が起こっていて何をしなくてはいけないのか、口ではわかりましたというがそれをピッチで見せなくては意味がない。自分たちのストロングがどこなのか、どうしたらチャンスが作れるのか、失点を防ぐにはどのような準備が必要なのかそれをもう一度再確認しようと選手たちに託し2試合目へと送り出しました。
同じ相手と行なった2試合目では攻守にわたり少しずつ自分たちの意思で意図的にこうしようというプレーが増え始め、それによりチームの中でもコミュニケーションが増えいいプレーも増えてきました。良い兆しが見れたと思ったところ雷の影響で残念ながら後半残り10分くらいのところで試合中止。この試合ではチームの雰囲気ががらりと変わり、2-1で勝つことができていました。
最後の試合は彼ら自身が意思をもってプレーできたのがとても良かったです。戦術や知識ではなく自分たちが目の前の試合を、もっと言えば高円宮杯までの1か月弱の期間をどのように過ごしたいかが大事になります。
試合後ホテルに移動しシャワーを浴びてすっきりした後、豊田市内を少し散策しました。美味しい夕飯を食べ明日に備えて体を休めます。
2日目も暑い中2試合を戦い抜きました。どちらも愛知県2部に所属するGloubsさんと、静岡県2部に所属するFukuroi FCさんと対戦させて頂きました。
初日よりかは少し元気にアップをし始めますがまだまだ足りない。このままでは昨日と同じ結果になると少し発破をかけるとちょっとずつ声を出し始め良い意味で楽しい雰囲気でアップを終えます。自分たちで声を掛け合いいい雰囲気を作ってほしいですがまだまだほぼ全員が人任せなのが現状です。
試合は相手チームがコロナなどで人数ギリギリでしたがそれでも個々の技術や身体能力が高く、段々と押し込まれます。前からプレスに行きますが相手のアンカーの選手を埋めることができず中盤で前向きを作られ、サイドに追い込んではめたと思った時もアプローチが遅くなって後手になってしまい中盤からの裏へのパスで背後を取られ失点をしてしまいます。しかしこちらもビルドアップから丁寧に相手のプレスをはがし最後フィニッシュまでいく場面も何回か作れていました。ハーフタイムでは守備時のマークにつく選手、奪う場所を明確にしてアプローチを強くいくよう伝え、攻撃ではフリーな選手を見つけながら、また自分たちのストロングはどこなのかをはなしピッチへと送り出しました。
後半へ入り、選手たちはハーフタイムに伝えたところを意識しながらアクションを起こしているように見えました。中盤で相手のパスをひっかけで奪いそのままショートカウンターへ行く回数が増え、攻撃では前半よりも落ち着いてフリーな味方を見つけながら前進をすることができていました。またストロングである左サイドから縦の攻撃、中に切り込んで逆サイドへの展開も少しずつですが出せることができました。裏へのパスの質や受け手とのタイミングがまだまだあっていない時が多いですがそれもまた選手間でのコミュニケーション、自分の主張(意思)を伝えないと解決しない問題です。ですが初日よりは成長を感じる試合だったのではないでしょうか。
2試合目は少し休憩をおいてからスタート。1試合目の雰囲気を忘れず行きたかったところですがサイドを突破されディフェンスとキーパーの連係ミスもあり先に失点を許してしまい前半を終わります。ラインとラインの間が少し開きすぎていて相手にうまく使われてしまっていたので2トップのラインを少し下げ狭くして守ること、横のスライド、蹴られる時のチャレンジ&カバーをしっかりと明確にしようと伝え後半へ送り出しました。前半は疲労と暑さもありプレスに行くも後手になってしまい難しい展開となってしまいました。後半は3ラインを縦も横もコンパクトにし、サイドに出たときにしっかりとアプローチをかけられるようになり相手チームの中盤へのパスやFWへのパスをインターセプトできる回数が増えていきました。そんな中、サイドの局面で相手のパスをインターセプトし、中盤で前向きのポジションを取っていたルチカへパス、そこから裏へ抜け出したコバヤシリョウスケへルチカから絶妙なパスがわたりキーパーとの1対1を沈め同点。奪ってからショートカウンターの綺麗な形の得点でした。
その後も同じような展開を作り、インターセプトから奪ったボールをルチカ半ば強引にドリブルでディフェンスラインを突破したあとまたもキーパーとの1対1を決めきり見事逆転。どちらの得点もいい守備からの素晴らしい得点でした。その後相手の素晴らしいパスワークから失点を許し最後は同点で最終試合を終えました。
2試合目の後半は会場の温度計が36度ととても暑い中で選手たちは良く戦ってくれたと思います。その後クールダウンをして会場を後にして山梨へと帰りました。
この2日間を経て短い時間の中で成長できたかどうかは選手たち次第だと思います。もちろん指導者もこういう時どうしたほうがいい?などアドバイスや直接的にこうしてくれなど伝えますがいくら知識や戦術を伝えてもやらなくてはいけないこと、改善すべきことから目を背け続けてしまう選手は成長は難しいでしょう。それは普段の生活から繋がってきています。選手たちにはもっと自分たちを大切に、より貪欲にサッカーに向き合ってほしいです。
これから高円宮杯まで約1か月。まだだれもスタメンを確定された選手はいませんし、これからより自分に矢印をむけて過ごせる選手がピッチの上に立っているでしょう。
招待してくれました豊田市中学生サッカーフェスティバルのスタッフの皆様、対戦頂いたチームの皆様、選手を送り出してくれた保護者の皆様に感謝申し上げます。
今後とも応援よろしくお願い致します。